うえぽんSW局

古いタイプの日記ブログです。気まぐれに更新してます。

2010年07月

 lua for AviUtl を ver 0.0.11 に更新しました。
 AviUtl プラグイン フィルタ by うえぽん

 以前ブログで「lua for AviUtlをGPU使用プラグインと一緒に使うとクラッシュしていたのを修正」というのを書きましたが、それに関連する話です。

 Luaの数値型はdoubleで処理しているわけですが、GPU使用プラグインと併用すると、その数値精度がfloat相当になってしまう現象に遭遇しました。
 doubleなら仮数部が52bitあるのでC言語などの32bit整数型との互換を保てるのですが、しかし、floatだと仮数部が22bitなので32bit整数型の数値をすべて表現することができません。
 例えば 65535 × 65534 の答えはdoubleなら表現できますが、floatになっていると近似値になってしまいます。

 原因は、DirectXのライブラリがFPU(浮動小数点を演算するCPUの回路)の演算精度を下げているためです。
 なぜ下げるかというとその方が演算速度が速くなるからだそうです。
 回避方法としては、CreateDeviceの呼び出し時にD3DCREATE_FPU_PRESERVEをセットするという方法があるそうですが、他のプラグイン作者が手を出せるものではありません。

 というわけで「lua for AviUtl」では別の回避方法として、自プラグインに処理が回ってきたら一時的にFPUの演算精度を上げ、処理が済んだら元に戻すという方法で問題を回避することにしました。

【参考ページ】
 空想具現化プログラミング [Lua] Luaの数値型の精度の問題
 float vs. double
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リアルサウンド_パケ


 セガサターン版「リアルサウンド 風のリグレット」をクリアしました。
 実は飯野賢治作品は1個もプレイしたことが無く、これが初プレイです。
 当時飯野作品をプレイしなかった理由は、雑誌で見て面白そうだと思わなかったという単純な理由です。当時の自分の購入基準は「雑誌で見て面白そうと思えるか」というものでした。このリアルサウンドも雑誌では紹介されていますが、画面が真っ暗で面白そうと思えませんでした。(ちなみにバーチャルボーイが売れなかった理由の1つとしてプレイ画面が傍からは見えなかったからという考察もあります)
 それと飯野賢治の口車に乗せられないようにする自己防衛本能(通称「強がり」)もあったかもしれません。

 さて、風のリグレットのストーリーは下の説明書の画像の通りです。ただし1ヶ所間違いがあります。「夏休みが終わったら転校」ではなく「夏休みが始まってすぐ転校」です。

リアルサウンド_ストーリー


 物語は主人公 野々村博司の一人称で語られます。

◆音だけのゲーム
 知らない人のために書くと、これは画面を一切使わない音声だけのゲームです。
 画面はこんな感じでずっと真っ暗です。
 リアルサウンド_画面
 タイトル画面もありません。
 あまりにも画期的なので当時話題になりました。
 真のサウンドノベルと言ってもいいかもしれません。

◆何かしながらプレイできる
 音だけなので、他のこと(例えばメールの確認作業など)をしながらプレイできます。。
 1回のプレイ時間が4時間と長く、2週目以降のプレイとなると重複部分も多くなります。
 時間を無駄にしないために工夫してください。

◆自分はラブストーリーが苦手
 脚本家の人はフジテレビの恋愛ドラマを何本か手がけている人だそうです。
 ただ自分はラブストーリーが苦手なので、これは推理物だと思うようにしてプレイしました。
 ・失踪した泉水はどこに?
 ・小学生の頃、待ち合わせの時計台に現れなかった理由は?
 と、とりあえず2つの謎があります。

◆上キーの選択もある
 他のサイトの説明を見ると「選択肢は左右で選ぶ」としているところが多いが、上キーの選択肢がある場合もある(無いことがほとんどなので忘れがちだが)。

◆初プレイでグッドエンドを聞く人は少数?
 おそらくですが、初プレイでグッドエンド(矢野顕子の歌が流れる)を聞く人は少数だと思います。
 1週目で真相が判り、2週目では別の方向を目指してプレイするよう作られているようです。

◆エンディングは5種類
 他のサイトを複数見たところエンディングは5種類あるそうです。(一応、自分は5つ全部のエンディングを聞きました)
 エンディングの分岐の基準は、「記憶のかけらを4つ集めたか」「奈々の好感度」の2点のようです。
 途中まで同じに進めて良いものがあるので、セーブデータを別に保存すれば時短になると思います。

エンド種類記憶奈々備考
ひとつだけ矢野顕子の歌が流れる
留守番電話×途中まで「ひとつだけ」と同じ、記憶が揃ったら好感度を下げる
花屋××最後の選択で泉水に行くと飛行場。そうでないと花屋
飛行場
電話3回×レアエンド


◆人称のブレから裏読み推理
 全編を通して主人公の一人称で語られていますが、1ヶ所、三人称になってます。どこかというと最初の留守番電話が掛かってきたところ。
 主人公が部屋を出て、入れ違うように電話が掛かってきます。そして留守番電話に切り替わり録音のアナウンスとともに「もしもし泉水です……」との声をプレイヤーは耳にします。主人公はその場所にいないため、主人公の一人称では留守番電話の声は聞くことはできないはずです。しかし聞こえてくるということは三人称になっているわけです。人称がブレるのは好ましく思われないため、こういう描写がされることはあまりありません。
 ここで勘が良い人は気づくはずです。わざわざここだけ三人称にするということはこの留守番電話が重要なポイントになっているのだ、と。

◆留守番電話
 前述の推測どおり留守番電話に何かあったわけですが、まんまとそのトリックに引っかかりました。







【余談】
 つい最近、飯野賢治さんが倒れられて病院で意識不明だったそうです。今は退院してます。(追記:このブログを書いているときはまだ存命でしたが、2013年2月にお亡くなりになりました…)
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