うえぽんSW局

古いタイプの日記ブログです。気まぐれに更新してます。

2010年08月

 星新一の『ボッコちゃん』と『ノックの音が』を読了。

ボッコちゃん (新潮文庫)
新一, 星
新潮社
1971-05-25



ノックの音が (新潮文庫)
新一, 星
新潮社
1985-09-27



 2年前に『ほしのはじまり - 決定版星新一ショートショー』(新井素子編)を買ったと書いたが、やっとこ全部読んだので、他の作品に手を出してみました。

 『ボッコちゃん』は有名なので説明不要だと思います。ショートショートを50編収録した自薦集です。

 『ノックの音が』は、『ほしのはじまり』の新井素子評で興味を持ち購読。収録されている15作品全てが「ノックの音がした。」の一行で始まります。
 あとがきによると、フレドリック・ブラウンの短編集に収録されている「ノック」という作品が頭に残ったらしく、それを着想として書いたらしいです。ちなみに「ノック」の出だしは「地球上で最後に残った男が、ただひとり部屋のなかにすわっていた。するとノックの音が……」で始まりオチはノックの主は女だったというもの。
 『ノックの音が』が書かれた当時はSFが盛んでなかったそうで、ミステリー風な作品ばかりです。SF好きな人には物足りないかもしれませんが、ミステリー風なのでオチを予想して読むとクイズっぽくて面白いかもしれません。

【余談】
 今年の1月2日にNHKで『星新一ショートショート新春スペシャル』を放送していたらしい。気づかなくて悔しい。
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 「色収差もどきフィルタ」というのを作ってみました。いつものところにアップしてあります。

 AviUtl プラグイン フィルタ by うえぽん

 色収差を再現するフィルタです。補正するものではありませんのであしからず。

◆色収差について
 下の画像で色収差が発生してます。

色収差_事例


 拡大するとよくわかります。柱の輪郭部分で色がずれたようになっています。これが色収差(倍率色収差)です。

色収差_事例(拡大)


 これは光の波長(色)によって屈折率が異なるため、レンズを通して見たとき、色によって焦点距離や像を結ぶ位置が変わるために起こります。図解すると下のような感じです。

色収差_図解


 レンズを複数枚使用することで色収差は抑えられますが、小型カメラや安物カメラでは色収差が発生してるケースが多いです。(ただし、最近では小型カメラに搭載できるプロセッサが高性能化し、ソフトウェアによって色収差を軽減するようになったため、あまり見られなってきています)

 アニメなどでは監視カメラから見ているような映像を再現するためにこの色収差がよく使われているようです。今回はそれを真似してみたいと思い「色収差もどき」を作ってみた次第です。

◆「色収差もどきフィルタ」がやってること
 RGB(赤、緑、青)をレイヤーごとに拡大率を変えたりぼかすことで色収差を再現しようとしています。
 手抜きのため拡大のみだったり、ぼかしの精度は変えられません。

◆実演
 処理前の映像です。

色収差もどき_ビフォー


 こんな感じに設定してみます。

色収差もどき_設定


 こうなります。

色収差もどき_アフター
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真説・夢見館


 メガCD版の「夢見館の物語」はプレイしたことはあるのですが、「真説・夢見館」の方は今まで未プレイでした。
 スルーしていた理由は、リメイク物だと勘違いしていたことと、評判が悪かったからです。
 21世紀になってリメイクではないと知ったこともあり、この度やっとこプレイしてクリアしました。

 以下感想とか思ったこととか列挙。

◆本体発売から10日後発売
 セガサターン本体発売日は1994年11月22日。
 「真説・夢見館」の発売日は1994年12月2日。
 発売日に合わせようと急いで作ったことが想像できます。
 多少出来栄えが悪くても大目に見る大らかな心が必要だと思います。

◆前作とジャンルが微妙に違う
 メガCD版「夢見館の物語」は脱出ゲーム系でしたが、「真説」は推理アドベンチャーになってます。

◆シリーズ物のねじれ現象
 以前「時空探偵DD」と「月花霧幻譚」を紹介しましたが、それらと制作会社が同じだったりします(システムサコム - Wikipedia)。
 そのためかジャンル的に考えてみると
 「夢見館の物語」の真の続編は「月花霧幻譚」、
 「真説・夢見館」の真の続編は「時空探偵DD」、
 と呼んだ方が良いのではないかと思ったりします。

◆感情入力システム
 会話の選択によって主人公の性格が善・普通・悪の3種類に変化するシステムになってます。
 しかし問題なのが、選択の入力タイミングが分かり難いことです。フルボイスで自然な会話を実現しようとしたのでしょうが、選択時に画面に何も表示されないため、つい2秒放置してしまい“無視”を選択したことになることがあります。
 一応イージーモードにすると画面右下にゲームパッドが表示され会話が一時ストップするようになります。ついでにタイマーでも表示させれば「サクラ大戦」のLIPSっぽくなったのではと思ったりします。

◆無口な主人公と代弁者
 主人公=プレイヤーとするために主人公が喋らないタイプのゲームになってます。しかし喋らないと物語が進まないということもあります。そういうときに使うのが代弁者という技法です。
 「真説・夢見館」ではマイクという相棒が用意されていて代弁者の役割を担ってます。
 しかしこのマイクが曲者で、最低限のことを喋ればいいのに、「よし言われたとおり次は○○へ行こうぜ」(うろ覚え)だとか「なんでいつも○○は留守なんだ」(うろ覚え)などと見れば分かることや今しがた他のキャラに言われたお使いの内容を繰り返し言ったりととお節介です。
 プレイヤーの自主性を尊重して欲しいなと思います。

◆顔姿が見えない主人公の性別
 プレイヤーは館の住人の顔を見ることができますが、主人公の顔だけは見ることができません。また、主人公の声を聞くこともできず、名前が“ジュン”と男女どちらにもとれる名前だったりします。
 以上のことから主人公は女性とも見ることができたりします。というか、そうとも取れるように制作されている疑いがあります。
 例えば、妹キャラのキャシーが「マイクお兄ちゃん達」と主人公ジュンを差し置いて相棒であるマイクの名前で語りかけてくる場面があります。「お兄ちゃん」と呼びかけてしまうと主人公の性別が固定されてしまうので、回避策として「マイクお兄ちゃん達」としたのかもしれません。
 ただ、頭越しに会話されるのは気分が良いものではありません。

◆ゲームオーバーになる方が難しい
 館の住人との受け答えによってはゲームオーバーになることがありますが、心の惰性に任せて普通にプレイするとあっさりクリアしてしまいます。
 もう少し楽しみたい人は、心を鬼にして非常識な態度で受け答えを行い、様々なゲームオーバーを見ることをお勧めします。
 以下見つけたゲームオーバー。

●ダニー聴取後、キャシー
「ダニーおにいちゃんのこと信じてないの?」→はい
「大人ってみんなそうなの?」→はい
「もう人のことを傷つけないって約束して」→いいえ
→ゲームオーバー

●長老死亡後(ダニー聴取後?)、ショーン
「犯人はダニーだった?」→はい
「僕が言ったってこと内緒にしてくれた?」→いいえ
→ゲームオーバー

●転生の球の話を聞いた後、ショーン
「僕達レイモンドに殺されるんでしょ?」→はい
「僕だけを守って」→いいえ
「僕にできるかな?」→いいえ
→ゲームオーバー

●倒れているキャシー
「お兄ちゃん苦しいよ、助けて」→いいえ
→閉じ込められてゲームオーバー

●聖域にてマイク
「ジュン、転生の球を!」→いいえ
→ゲームオーバー


◆懐中時計、絵描きの部屋
 普通にプレイしていると“懐中時計”を使わずじまいにクリアしてしまうと思います。
 この“懐中時計”は絵描きの部屋に入るために使います。
 聖域へ行くためには、それまでの会話によって性格が善になっていないといけません。もし性格が悪になっている場合は、“懐中時計”を持った状態で階段下の扉を開けると絵画きの部屋へ通じていて、そこで心を塗り替えてもらえます。

◆タロットカード
 受け取りを拒否してもクリアできます。




【余談】
 セガサターン最初期のタイトルはCD-ROMのレーベル面がカラー印刷だったりします。
 理由は知りませんが間もなくカラー印刷は見ることが少なくなり、ほとんどのタイトルが2色刷りになってしまいました(もちろん例外もあり)。
 上のパケ画像でケースを開いているのはレーベル面を見せたかったからです。
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