「ようこそ地球さん」(星新一)を読了

ようこそ地球さん (新潮文庫)
新一, 星
新潮社
1972-06-19



 ということで1編だけコミPo!で漫画化してみました。

【コミPo!】「復讐」


 この話をチョイスした理由は2つ。
 第一に1ページの漫画に収められそうだったから。
 第二にループ落ちだから。
 最近はループ物のアニメや漫画が増えてきましたが、どれも時間軸ループが基本だったりします。時間軸以外の軸でループするのが逆に新鮮だったのでチョイスしてみました。
 「ようこそ地球さん」のあとがきを読むに、少なくとも昭和三十六年六月以前に書かれたショートショートのようです。

●原発事故中に読むと
 星新一作品には人類の終末を描いたものが結構ありますが、原発事故が起こっている現在読むと結構イメージが被ったりします。
 例えば「廃墟」という作品があるのですが、これが今の福島のイメージと重なったりします。人はいなくなり建物だけが残った廃墟。そこを未来のクリーチャー達が社会科見学するそんな話です。今福島は元ペットの犬達が廃墟をさまよってます。
 他にも「処刑」という作品は、水を飲むために一定確率で爆発するかもしれないボタンを押すか押さないかのジレンマが書かれてます。これが今現在起こっている放射性物質が入っているかもしれない水道水の騒動のイメージと重なります。ある確率で将来ガンで死ぬかもしれない点で。

 星新一作品は時事ネタがほとんどありません。しかし世の中の動向によってはタイムリーなネタに変化するようです。