うえぽんSW局

古いタイプの日記ブログです。気まぐれに更新してます。

2011年12月

 昔読んだのですが、再読。
 「ガンダムAGE」→(三世代)→「ファンタシースター3」→(世代宇宙船)→「宇宙の孤児」と連想して読みたくなりました。
「宇宙の孤児」「時の継承者」


●おおざっぱな内容
 世代宇宙船の話です。
 ただし、住民たちは自分が世代宇宙船に乗っているという意識はなく、〈船〉の内側が世界の全てだと思ってます。
 そして、一人の青年が〈船〉の外側が存在していると知ったことで……という話です。

●1941年の作品
 この作品が雑誌に掲載されたのは1941年だそうです。
 1941年というと第二次世界大戦中です。ドイツがV2ロケットを開発しているときで、まだ宇宙へ行くための打ち上げロケットもありません。
 そんな時期の作品ですが、世代宇宙船が目指す目的地が定番のケンタリウスだったりと、今でも十分通じる内容です。

●日本語なので少し気になる
 物語の序盤では住民たちが一種の叙述トリックのようなものに引っかかってる様が描かれています。
 例えば「〈船〉は〈遠くケンタウリ〉を目指して〈旅〉をしている」と言った感じのことが教典のように伝えられているのですが、これは読者にとってはそのままの意味でも、住民たちにとっては別の意味で捉えられています。〈旅〉は死後の世界に天国や地獄へ行くことで、〈遠くケンタウリ〉は天国や地獄のことと解釈されてます。
 つまり、言葉を別の意味に捉えたり、詩的に解釈されてます。そのことを読者に示すために意味が食い違う単語には〈〉を付けて書かれています。(原書では"")
 で、気になたのは、〈〉付のの単語が日本語に翻訳されていることです。英語だと複数の意味に取れる単語なのに、日本語に翻訳してしまうと一つの意味しかないということがあります。
 例えば、〈船長〉は英語では"Captain"です。「船長」以外にも「主将」「長」「組長」などの意味があります。正しくは「船長」なのですが、劇中の住民たちがどのように勘違いしているのか分かり難いかなと思いました。

●〈旅〉
 〈旅〉という単語が出てきますが、旅を意味する英単語は、travel, trip, journey, voyageの4つがあり、意味が微妙に違います。どうやら原書では"voyage"のようです。
 "voyage"の意味を調べてみると、そのものズバリ「宇宙飛行」という意味もあるそうです。無人宇宙探査機「ボイジャー」(Voyager)もこの単語が元になってます。
 これも日本語に翻訳されていると分かり難いことです。

●Amazon.co.jpリンク
宇宙の孤児 (ハヤカワ文庫 SF 281)
ロバート A.ハインライン
早川書房
1978-02T

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 『どこかの事件』『安全のカード』『ご依頼の件』の三冊を読了。

どこかの事件 (新潮文庫)
新一, 星
新潮社
1986-10-28



安全のカード (新潮文庫)
新一, 星
新潮社
1987-12-23



ご依頼の件 (新潮文庫)
新一, 星
新潮社
1989-04-28



 年が明ける前に急いで1ページ漫画にしてみました。『ご依頼の件』収録の作品です。

【コミPo】「防止対策」


 元は3ページのショートショートです。
 読者にミスリードさせて意表をついたオチへ持って行くパターンなのですが、過不足なく書かれているために、どのセリフをカットするのか悩みました。
 結局登場人物をカエルにして誤魔化してます。

●長めの作品が多い
 『どこかの事件』『安全のカード』『ご依頼の件』は、新潮文庫の出版順だとそれぞれ38番目、39番目、40番目と連続してます。
 この時期に出版されたものはショートショートにしては長めの作品が多かったりするのですが、それについてはあとがきによると、どうやら依頼された枚数がそうだったからだそうです。おそらく雑誌などに掲載するのに長いものが求められていたのかもしれません。
 長めといっても安易に短いのを引き伸ばしたわけではなく、内容が詰まっており、1ページ漫画にしようとすると話を再構成する必要があったりします。

●巻末の解説がなくなり、あとがきが登場
 星新一はあまりあとがきを書かない人だそうですが、この時期の文庫本はあとがきが書かれています。
 それと同時に巻末の解説がなくなってます。
 どうやらある雑誌の解説特集で、星新一の文庫本の解説には多くの人が手を焼いていると紹介されていたのが原因らしいです。多くの人に迷惑をかけないように巻末の解説をやめた模様。
 で、その代わりにあとがきが書かれるようになったようです。

●せいぜい
 「せいぜい」という言葉が使われているのですが、これは現代だと少し意味が変わってしまった言葉だなと思います。
 本来は「精一杯」「力の限りを尽くして」といった意味であり、星新一作品でもそう使われてます。
 しかし、現代では〈嫌味〉が込められた言葉となってます。なので「せいぜい」という言葉が出てきたとき、一瞬意味の違いに戸惑ってしまいました。
 ちなみにこんな出来事が3年前にありました。
 【トレビアン】「せいぜい」の正しい意味は? 某新聞記者が意味もわからず福田首相を叩く!?(トレビアンニュース) - livedoor ニュース
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 コミPo!にワニっぽい素材が追加されたので、「人食いワニのパラドックス」を4コマにしてみました。

【4コマ】人食いワニのパラドックス


 これは自己矛盾というもので、有名なのには『「この紙に書いてあることは嘘です」と書かれた紙』なんてのがあります。

 参考文献は「詭弁論理学」(野崎昭弘)。昔おすすめしたかもしれない書籍です。

詭弁論理学 改版 (中公新書)
野崎昭弘
中央公論新社
2019-03-15



 wikipediaにも「ワニのパラドックス - Wikipedia」という項目があります。
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 小学館の学習雑誌「小学三年生」と「小学四年生」が来年の3月号を持って休刊だそうな。

 小学館、「小学三年生」と「小学四年生」休刊へ : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 小学館のホームページで目次を見られるけど、今のは漫画が少なくなってるんだね。自分が読んでいたときはもっと漫画があってビックリマンの特集とかもあったりと、コロコロコミックを買わないで学習誌の方を買っている人も多かった記憶がある。
 それにしても「小学五年生」「小学六年生」、学研の「学習」「科学」、「コミックボンボン」と小学生向けの雑誌がどんどん休刊してるのは残念。


 小学○年生の思い出といえば学年が変わるとき注意が必要だったこと。
 3月はまだ学年が変わっていないのに買うのは次の学年の四月号。このとき間違って今の学年の四月号を買ってしまうんですね。
 そんな注意を促す4コマ漫画です。
【4コマ】小学○年生の三月号によくある4コマまんが
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 「60fpsフリッカ軽減」を0.2.0に更新しました。

 AviUtl プラグイン フィルタ by うえぽん

 主な更新内容は
 ・簡易NRを付加
 ・フレームのキャッシュ方法を改善して速度アップ
 の2つです。

◆簡易NR
 略さないと「簡易ノイズリダクション(時間軸)」です。
 メインのフリッカ軽減の処理速度をこれ以上上げるのは難しそうなので、他のフィルタ機能を付加することでトータルの処理時間を短くすることを考えてみました。
 フリッカ軽減でアダマール変換をしているので、そのついでに閾値処理をやっています。
 AviUtl標準の「ノイズ除去(時間軸)」と似たような効果があると思います。

◆時間軸プラグインを作る際のメモ
 時間軸フィルタでは前後のフレームを参照するわけですが、フレーム参照のたびに同じフィルタリング処理をやるのは無駄です。なのでAviUtlではキャッシュすることでその無駄を減らすことが出来ます。
 で、set_ycp_filtering_cache_size()でキャッシュフレーム数を設定しget_ycp_filtering_cache_ex()で前後のフレームを取得するわけですが、このとき前後のフレームだけでなく現在のフレーム分もキャッシュフレーム数に含めることを忘れないように注意。現在のフレームが次のフレームでは前のフレームということになるので、キャッシュされていないと再びフィルタリング処理すことになってしまいます。
 それとフィルタフラグにFILTER_FLAG_NO_INIT_DATAを指定するとfunc_proc()の初期画像データを作成しないようになるので、これを指定しておいて、現在のフレームもget_ycp_filtering_cache_ex()で取得すると良いかもしれないです。
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