うえぽんSW局

古いタイプの日記ブログです。気まぐれに更新してます。

2014年06月

 「ショートショートの広場」の第1巻(第1集)を読了。




 ということで2編を4コマ漫画で紹介。

【4コマ】『ショートショートの広場1』より


 どちらも元は1ページの作品です。「念力」の方は何度も読んで4コマにまでしてやっと分かりましたが、これって今でいうところのツンデレだったりするんですね。

●選から落ちたタイプ
 巻末の選評によると、選から落ちたタイプを分類るすると次の5つに大別できるようです。
 、説明調のもの。なにかの必然があるのなら別だが、小説の形をとっていないと、よさが充分に発揮されない。つまり、もたついてしまうのである。
 、意外な結末はいいのだが、なんの伏線もなく、そこへ持ってゆくもの。大まじめに話を進めてきて、突然にナンセンスな結末では、読後に不満が残る。いけないとはいわないが、それならそれなりにふさわしい書き方があるはずだ。
 、主題の重複。あれもこれもと問題を持ち込み過ぎると、ごたごたしてしまう。無理にちぢめたとの印象を与える。
 、専門的な知識を要求するもの。予選で落ちたのにも、これが多かったのでは。なにかのパロディでもいいのだが、そのもとがよほど知られていなければ、面白いとはいえない。
 、まあまあなのだが、もうひとつ、なにかが不足。いわゆるコント的な作品が悪いとはいわないが、特色のあるのとくらべると、軽く見えてしまうのである。このたぐいが最も多かった。
 ショートショートを一つでも書いたことがある人なら、たぶんどれかに当てはまるのを書いてるはず。

●悪魔物
 「ショートショートの広場」を1巻から9巻まで読みましたが、定番の悪魔物が意外と少なかったです。次の選評を読むと悪魔物が少なかったのも頷けます。
「びん」
 短いなかに、時間的空間的に大きなものをまとめている。なお、このところショートショートに悪魔との取引きを扱ったものが、いやに多い。今回の応募のなかにも、何作もあった。ということは、それだけ競争がきびしいことになる。よほどひねらなければならず、ひねりすぎも困る。この作品は新アイデアで、それをやってのけた。今後、安易な悪魔物の出ないようにと、これをとりあげた。
「自分でも書いてるくせに」と言われるかもしれないが、日本で書きはじめたのは私であり、数にして全体の一パーセント以下のはずである。悪魔物は既成作家が、案に困ってどうしようもない時に使う手段ではなかろうか。


【終わり】
 以上で、星新一選となっている「ショートショートの広場」を読み終わったことになります。
 9巻から逆順に読んできましたが、このブログを読み返す時は1巻から順番になると思います。

 ショートショートの広場
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 「ショートショートの広場」の2巻(2集)を読了。




 ということで2編を4コマ漫画で紹介。

【4コマ】『ショートショートの広場2』より

 「心残り」のパターンは、一時期の小松左京のショートショートによくあるパターンだと思う。謎の物体が発見されるものの、実は異星人の他愛のない物だったという作品がいくつかあります。この他愛ないものが、子供の玩具だったり、お札だったり、男女のアレだったりするわけです。

●誰かに読んでもらおう
 9巻から逆順に読んでいますが、巻末の選評で星新一が何度も言っているアドバイスがあります。それは『誰かに読んでもらえ』というもの。これが上達への近道だそうな。ケアレスミスもそれによって判明するので、応募前にはぜひともやっていただきたいとのこと。
 読んでもらう友達がいない人もいたりするが、その場合は『そばにだれかがいるものと仮定して、こういう話はどうだろうと、頭のなかで語ってみるといい。つじつまの合わない部分に、気づくと思う』とのこと。
 そういえば最近こんなニュースもありました。
 「犬への読み聞かせ」で子どもの自信向上、エストニア:AFPBB News
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 「ショートショートの広場」の3巻(3集)を読了。




 ということで2編を4コマ漫画にしてみた。

【4コマ】『ショートショートの広場3』より


●規定枚数が10枚から7枚以下になる
 『ショートショートの広場』は読者公募の作品集ですが、3巻のあとがきによると、このころから規定枚数を10枚から7枚以下にしたそうです。
 2巻の選評で『応募規定は十枚以内だが、十枚の注文を受けた気分で、長く書いてくる人もある。必然性なしだと、かえって損である』と述べられているので、その対応策だと思う。
 これが功を奏したのか、2巻と3巻以降とでは作品の印象がなんとなく違う。3巻以降はより洗練された感じがします。
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 「ショートショートの広場」の4巻(4集)を読了。




 ということで2編を4コマ漫画にしてみた。

【4コマ】『ショートショートの広場4』より

 「味噌汁の味」はコピペ化されてネットで広まっていますが、元ネタは『ショートショートの広場4』です。オリジナルでは、「お義母さんが生きていたころはお義父さんの体調は悪かった」「息子(旦那)はパン派だったので味噌汁を飲んだことがない」「お義母さん自身もほとんど飲んでなかった」など伏線が多数ちりばめられています。

●9点
 巻末には星新一の採点が掲載されていますが、今回は「尻とり病」という作品が9点(10点が満点)の高得点を得ています。おそらく1~9巻の中でこれが最高得点だと思います。
 内容は、二人の人物が尻とり病という奇病について会話していて、実はその二人も尻とり病にかかっており、会話がしりとりになっている、というもの。
 外国語に訳せない奇妙さが高く評価されたのかもしれません。

●ドリームキャストの動画
 ニコニコ動画にアップされてるドリームキャストで作成されたこの動画。動画内で出題されているのがちょうど『ショートショートの広場4』の内容です。
 
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 「ショートショートの広場」の5巻(5集)を読了。




 ということで2編を4コマ漫画にしてみた。

【4コマ】『ショートショートの広場5』より


 タイトルが「究極の○○」となってるのが2作品あったので、両方をチョイスしてみました。おそらく当時は「究極のメニュー」や「究極の選択」やらと「究極の○○」というのが流行っていた時期なのだと思います。
 ところで、「究極の試験問題」については同様のコピペが出回っているようですが、おそらく元ネタはこれだと思います。

●「挟まる」
 「挟まる」という作品が面白いことをやってる(下の画像)。段々短くなっていくのが内容ともマッチしてる。

「挟まる」


 ちなみに、読売新聞の「こどもの詩」に似たようなものを発見。2010年の12月ごろに掲載されたものです。

2010年12月ごろのこどもの詩
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