2015年09月
『黒死館殺人事件 ─まんがで読破─』を読んだ
前回『黒死館殺人事件』(小栗虫太郎)の原作を読みましたが、今回は漫画版の方を読了。
原作小説を読んだものの、内容をちゃんと理解できているか自信がなかったため、今回はその理解を補うために漫画版を読んでみた次第です。
原作小説は主人公が垂れ流す怒濤の薀蓄のために、本編であるはずの殺人事件を読み解くのが非常に困難でした。それが漫画版では薀蓄が大幅に抑えられており、本編である殺人事件の内容がとても分かりやすくまとまっています。原作小説を読んだあとの答え合わせに読むのにちょうど良かったです。
だた、ちょっと気になるのは、主人公・法水麟太郎のキャラデザです。無精髭を生やした悪人面した中年おじさんになっています(アマゾンの試し読みやサンプルで確認可能です)。アマゾンのレビューでも指摘されていますが、おそらく多くの読者のイメージとだいぶ違うものとなってます。
まあ読んでいるうちに慣れましたが。
さて、原作と漫画版を読破したうえで作品の感想を一つだけ述べると、自殺した人物を後から犯人と認定するのにはちょっと釈然としないものを感じました。死人が反論してこないのを良いことにそいつが犯人だとでっち上げた感じがしてならなかったです。犯人が生前に自ら犯人であると告白したのなら納得できるのですが……。
法水麟太郎が主人公の作品は他にもありますが、結構このパターンがあったと思います。
原作小説を読んだものの、内容をちゃんと理解できているか自信がなかったため、今回はその理解を補うために漫画版を読んでみた次第です。
原作小説は主人公が垂れ流す怒濤の薀蓄のために、本編であるはずの殺人事件を読み解くのが非常に困難でした。それが漫画版では薀蓄が大幅に抑えられており、本編である殺人事件の内容がとても分かりやすくまとまっています。原作小説を読んだあとの答え合わせに読むのにちょうど良かったです。
だた、ちょっと気になるのは、主人公・法水麟太郎のキャラデザです。無精髭を生やした悪人面した中年おじさんになっています(アマゾンの試し読みやサンプルで確認可能です)。アマゾンのレビューでも指摘されていますが、おそらく多くの読者のイメージとだいぶ違うものとなってます。
まあ読んでいるうちに慣れましたが。
さて、原作と漫画版を読破したうえで作品の感想を一つだけ述べると、自殺した人物を後から犯人と認定するのにはちょっと釈然としないものを感じました。死人が反論してこないのを良いことにそいつが犯人だとでっち上げた感じがしてならなかったです。犯人が生前に自ら犯人であると告白したのなら納得できるのですが……。
法水麟太郎が主人公の作品は他にもありますが、結構このパターンがあったと思います。
『黒死館殺人事件』(小栗虫太郎)を読んだ
『黒死館殺人事件』(小栗虫太郎)をなんとか読了。
読むのにかなり苦戦しました。本当に“なんとか”読み終えました。
読んだといっても内容を完全に理解できたか自信はありません。
コミカライズ版(漫画版)もあるそうなので、次はそれで復習しようかと思っています。
『黒死館殺人事件』は、『ドグラ・マグラ』(夢野久作)や『虚無への供物』(中井英夫)と並んで日本三大奇書といわれています。
三大奇書などといわれると、きっと面白い名作なのだろうと思うかもしれません。
しかし、実際に読んでみると、名作というよりは奇妙な作品ととらえた方が良いことがわかります。
奇妙であるがゆえに読むのに苦戦します。途中で挫折する人が続出しているようです。ネット検索するとチャレンジした人たちの阿鼻叫喚の数々が見られるはずです。
三大奇書はいずれも推理小説です。そしてアンチ・ミステリーでもあります。
アンチ・ミステリーとは「推理小説でありながら推理小説であることを拒む」というジャンルだそうです。(アンチ・ミステリー - Wikipedia)
『黒死館殺人事件』も当然推理小説です。
黒死館と呼ばれる館で殺人事件が発生し、探偵役(法水麟太郎)がその犯人をみつけようとします。
ここまでなら普通の推理小説です。
しかしこの探偵役である法水麟太郎がくせ者だったりします。
どのようにくせ者かというと、とにかく薀蓄を大量に披露してくれます。なんとその薀蓄の数々は事件とは一切関係なかったりします。一見事件と関係がありそうな雰囲気で薀蓄を語りだしますが、読者はそれを何ページも読まされてから事件と関係ないことに気づかされます。
この薀蓄のたちの悪いところはは、殺人事件の解決に必要な情報を埋没させてしまうことです。
「木を隠すなら森」といいますが、この推理小説では大量の薀蓄によって必要な情報を隠すというなんとも奇妙な手法が使われています。
まあ、つまり、読者にとって最大の敵は探偵役の法水麟太郎ということになります。
探偵役が敵というのはかなり変わった小説だと思います。
ちなみに、この薀蓄の数々はあまり面白くないです。蘊蓄の真偽も分かりません。薀蓄が面白ければ読むのに苦労はしなかったのですが……。
ところで法水麟太郎が主人公の作品は他にもあります。
ほとんどが短編で、『黒死館殺人事件』と比較すると薀蓄もあまり垂れ流していないので、比較的さくっと読めます。
青空文庫で読める限りは読んだので、以下はそのメモというかネタバレです。
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読むのにかなり苦戦しました。本当に“なんとか”読み終えました。
読んだといっても内容を完全に理解できたか自信はありません。
コミカライズ版(漫画版)もあるそうなので、次はそれで復習しようかと思っています。
『黒死館殺人事件』は、『ドグラ・マグラ』(夢野久作)や『虚無への供物』(中井英夫)と並んで日本三大奇書といわれています。
三大奇書などといわれると、きっと面白い名作なのだろうと思うかもしれません。
しかし、実際に読んでみると、名作というよりは奇妙な作品ととらえた方が良いことがわかります。
奇妙であるがゆえに読むのに苦戦します。途中で挫折する人が続出しているようです。ネット検索するとチャレンジした人たちの阿鼻叫喚の数々が見られるはずです。
三大奇書はいずれも推理小説です。そしてアンチ・ミステリーでもあります。
アンチ・ミステリーとは「推理小説でありながら推理小説であることを拒む」というジャンルだそうです。(アンチ・ミステリー - Wikipedia)
『黒死館殺人事件』も当然推理小説です。
黒死館と呼ばれる館で殺人事件が発生し、探偵役(法水麟太郎)がその犯人をみつけようとします。
ここまでなら普通の推理小説です。
しかしこの探偵役である法水麟太郎がくせ者だったりします。
どのようにくせ者かというと、とにかく薀蓄を大量に披露してくれます。なんとその薀蓄の数々は事件とは一切関係なかったりします。一見事件と関係がありそうな雰囲気で薀蓄を語りだしますが、読者はそれを何ページも読まされてから事件と関係ないことに気づかされます。
この薀蓄のたちの悪いところはは、殺人事件の解決に必要な情報を埋没させてしまうことです。
「木を隠すなら森」といいますが、この推理小説では大量の薀蓄によって必要な情報を隠すというなんとも奇妙な手法が使われています。
まあ、つまり、読者にとって最大の敵は探偵役の法水麟太郎ということになります。
探偵役が敵というのはかなり変わった小説だと思います。
ちなみに、この薀蓄の数々はあまり面白くないです。蘊蓄の真偽も分かりません。薀蓄が面白ければ読むのに苦労はしなかったのですが……。
ところで法水麟太郎が主人公の作品は他にもあります。
ほとんどが短編で、『黒死館殺人事件』と比較すると薀蓄もあまり垂れ流していないので、比較的さくっと読めます。
青空文庫で読める限りは読んだので、以下はそのメモというかネタバレです。
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【4コマ】夏休み明け
4コマ漫画です。

夏休みは8月31日に終わるものだと思ってましたが、最近は1週間ぐらい早くに始業式を始める学校が多いようです。
理由は知りませんが、学校週休二日制の影響でしょうか?
ちなみに、始業式を忘れたことはないですが、夏休み中の登校日を忘れてしまったことはあります……(祖父母のいる田舎に行ってると思われたのか、特に叱られたりはしませんでした)。

夏休みは8月31日に終わるものだと思ってましたが、最近は1週間ぐらい早くに始業式を始める学校が多いようです。
理由は知りませんが、学校週休二日制の影響でしょうか?
ちなみに、始業式を忘れたことはないですが、夏休み中の登校日を忘れてしまったことはあります……(祖父母のいる田舎に行ってると思われたのか、特に叱られたりはしませんでした)。