当ブログのサイドバー(注:スマートフォンでは表示されません)にある送信フォームから寄せられたメッセージに対する返事です。メールアドレスが記載されていなかったのでブログ記事での返事になります。

 拙作Aviutlプラグイン「色褪せ軽減β」および「UVダウンサンプリング」をAvisynth用のdllにコンパイルして欲しいとのことですが、申し訳ありません。このリクエストにお応えするのは無理かもしれません
 AviUtlとavisynthは仕様が異なるため、単純にコンパイルするだけで済むことではありません。新しくavisynthのプラグインを作成することになってしまいます。(私はavisynthのプラグインを作成したことがないため、新たにとなると一苦労になりそうなので避けたいので……)

 そもそもこのプラグインはAviUtlのRGB→YUY2の変換における欠点(右の色差が捨てられてしまう)を補うことを目的に作成したプラグインです。avisynthにはそのような欠点はないため、そもそも不要なプラグインだと思います。

 もしもおまけ機能の色差の鮮鋭化を目当てに使っているのであれば、avisynthのスクリプトでも似たようなことはできるかと思います。
 ここを参考にして色差チャンネルをのみを鮮鋭化(シャープネス)すればなんとかなるかもしれません。
 http://www.avisynth.info/?Merge


[追記:2018/07/03]
 上を書いたときはavisynthのスクリプトでUVダウンサンプリングフィルタの鮮鋭化(シャープネス)を再現できるかと思いましたが、試してみたところ、少し特殊なことをやっていたので再現は難しいかもしれないと気付きました。(少し特殊なこととは、元の値が+のときは+方向へのみ強調、元が-のときは-方向へのみ強調する、ということをやっている)
 とりあえずUVダウンサンプリングのメイン部分をavisynthのスクリプトで再現してみました。他の部分もavisynthの既存フィルタで再現できると手間が省けるのですが……。

function UVdownsamplingToYV12(clip c, int "taps"){
    taps = default(taps, 4)
    w = c.width()
    h = c.height()
    mat = h >= 720 ? "Rec709" : "Rec601"
    c = (c.IsRGB24() || c.IsRGB32()) ? c.ConvertToYV24(matrix = mat) : c
    u = c.UToY8().BlackmanResize(w/2, h/2, taps=taps)
    v = c.VToY8().BlackmanResize(w/2, h/2, taps=taps)
    return YToUV(u, v, c)
}


[追記:2018/07/04]
 メッセージを送られた方がここを見ているか分かりませんが、「色褪せ軽減β」に類似したavisynthのフィルタを見つけたので紹介します。ChromaOptimizeというフィルタです。

 ダウンロード先(現在の最新版はv0.2.0 (alpha) らしい)
 https://forum.doom9.org/showthread.php?t=136324#post1120914
 簡単な日本語解説
 http://www.avisynth.info/?ChromaOptimize

 サポートされるフォーマットはYV12(YUV420)のみなので、YV24(YUV444)相当で使いたい場合は、輝度プレーンを2倍に拡大したものをダミーで用意するなど工夫が必要かもしれません。