確率に関する変わった話です。

【4コマ漫画】ネッシーや火星に生物のいる確率


 参考にしたのは『世界を読みとく数学入門』という本です。

 世界を読みとく数学入門 日常に隠された「数」をめぐる冒険 (角川ソフィア文庫)
 


■ネッシーがいる確率について
 これは数学よりも哲学の問題といった方が良いそうです。
 「サイコロを投げてどの目が出るか」とか「コインを10枚投げて何枚表が出る」というように大量に実験してデータを取るといった客観的な裏付けを取ることはできません。
 この問題の1/2は何かと言うならば、主観的な推測や信念、信頼の度合い(主観確率)ということになるようです。
 参考:主観確率 - Wikipedia


■火星に生物がいる確率について
 2コマ目で確率を出せることがおかしいという指摘もありますが、それは脇に置いときます(上のネッシーのいる確率と同じかもしれませんが)。
 問題なのは3コマ目で「乗算」していることです。事象が独立でないものを乗算してはいけません。犬が住めない環境なら、当然、猫も馬も羊も住めない環境です。それぞれの事象は独立していません。だから「犬も猫も馬も羊もいない確率」を求めるときにそれぞれの確率を乗算して求めるのは間違いとなります。

 参考文献の『世界を読みとく数学入門』にはこれは「火星人のパラドックス」として有名だと書かれています。しかし、その名前でネット検索してもほとんどヒットしません。おそらく著者が勝手につけた名前だと思います。同様の物を検索するには「火星 生物 確率 独立」あたりのワードで調べると良いかもしれません。