ケイブンシャ文庫版の『小松左京ショートショート全集(1)』を読了。




 ということで、その中から1編を1ページ漫画にしてみました。

【コミPo】【1ページ漫画】「新施設」

 夏といったら怪談ですね。

●一行説明 兼 目次
 ネタバレなしで各作品を25文字以内で説明すると以下の通りです。
 並び順は初出順になっているようです。自分が読んだのはケイブンシャ文庫ですが、ハルキ文庫版でも掲載順はほぼ同じです。
 ただし「靴屋の小人」「かつがれ屋」はハルキ文庫のみの収録です。

 「さんぷる一号」:合成食品の味見をする仕事をして十カ月。だいぶ太る
 「衝突」:時間機(タイムマシン)の失敗原因を十年かけて解明
 「予夢」:何かが空から降ってきて全てが燃える夢を子供が見る
 「何でも見てやろう」:核戦争後の地球上で最後の生存者となる
 「コップ一杯の戦争」:飲み屋のラジオが米ソの戦争勃発のニュースを知らせる
 「向かい同士」:団地の向かい同士。お互いの妻と夫を見かけなくなる
 「新施設」:団地都市の古いブロックで新施設に入居する老人に会う
 「正月料理」:上の階と下の階の筒井さんから食料品をたくさん頂く
 「南の国」:新妻のために外国製のフィルムを買い、部屋に投影する
 「上る」:エレベーターがないので階段でひたすら五階まで上る
 「ホクサイの世界」:ホクサイの絵にあるフジヤマを見たいと過去へ時間旅行
 「遺跡」:大阪城周辺にある様々な抜け穴について老人が語る
 「ダブル*セールス」:妻がセールスマンから買った新製品で夫を監視
 「顔」:セールスマンが団地を訪れるとどの部屋も同じ顔の住人
 「霧の向こうの団地」:母と子が新しく入居する団地を目指して進む
 「伝説」:桃色の脱出カプセルから現れた異星人が蛮族をけちらす
 「ゴールデンウィーク」:連休が終わったと思ったら、再び連休最初の日に逆戻り
 「火星の金」:火星で現金輸送する囚人。紙幣を盗み赤い宝石と交換
 「スケールの問題」:穴の空いた回転楕円体の天体を発見。着陸して調査する
 「花のこころ」:キチンと等間隔に並ぶ沙漠の星でただ一種の植物
 「恵みの糧」:山奥で猟をしていたが、獲物が獲れず都会で密猟しだす
 「さらば、貧乏神よ」:除夜の鐘で退治できる貧乏神が封印を破られ逃げ出す
 「さとるの化物」:バーで心を読めるという青年が話掛けてきて語り始める
 「海底油田」:海底をボーリングすると石油を精製したものが続々出る
 「淫蕩の星」:知合い夫婦の住む星へ招かれるが、奇妙な腫瘍ができる
 「Dシリーズ」:電機会社の企画部長が秘書を相手に人の性を語り思案
 「沼」:二十数年ぶりに沼の近くを通るとかつての助けを呼ぶ声
 「誤解」:電子脳をそなえた車がすねだす
 「十一人」:未知の星の基地。十人のはずなのに一人増えてる
 「お仲間入り」:宇宙人との交信に成功。ついに地球へやってくる
 「胎内めぐり」:暗闇を歩く胎内めぐり。悪人は犬になて出てくるという
 「幽霊屋敷」:屋敷に住んでいるのは私一人のはずなのに物音
 「星野球」:人工惑星をボールに、四つの星をベースにした野球
 「遺産」:老い先短い老人が若い娘に鞭をうってくれと強要
 「新幹線」:他の星の宇宙船が地球上にダイヤや金を落としていく
 「SF番組」:低予算なのによくできたSFフィルム
 「観月譜」:いつの世代にも受け継がれるお月見
 「お月見の前に」:新しい広告の手段が考え出される
 「靴屋の小人」:(ハルキ文庫版に収録)
 「かつがれ屋」:(ハルキ文庫版に収録)
 「かえって来た男」:浜に釣竿を持った変な人がいると駐在に連絡が入る
 「交通停滞」:式典当日。首都高の渋滞が一気に都内全域に波及する
 「超人の秘密」:出場者が一名の五輪初出場国。金メダルを大量に獲得
 「秘密計画」:優秀なスポーツマンの子種を獲得する国家的な秘密計画
 「モデル」:小説のプライバシー問題に関わった弁護士に相談者
 「よびかける石」:妹のオモチャ箱を枕元に置いて寝たらこわい夢
 「たたり」:インフレ、株価の低下が収まらず悩む政治家に救世主
 「きつね」:夜の山道を歩いている男を紳士が車に乗せる
 「公社計画」:売春の氾濫で性病が蔓延。公娼制度が見直され復活
 「故障」:自販機が別空間とショート。ジュースが増幅して逆流
 「風俗バー」:各時代の風俗を徹底的に再現したバー
 「月よ、さらば」:破産寸前で会長を含む役員が集合。融資の報を待つ
 「できそこない」:できそこないロボットをパーティ客らがからかう
 「星碁」:二人が打つ碁と、宇宙の説明がリンクする
 「倒産前日」:債権者への返済に苦しむ中、たまたま悪魔を捕まえる
 「エルサレムの地下にて」:地中海を東西にのびる巨大な洞窟を発見。調査する
 「卵と私たち」:出産を今か今かと待ち続け、ついに妻が生んだのは卵
 「仁科氏の装置」:仁科氏のためだけに一度かぎり動作する装置が作動
 「正月日記二〇一X年」:遠い未来の正月の様子が綴られる老人の日記
 「初夢」:宇宙船の一団が歓迎を期待しつつ七年ぶりに地球を訪問
 「空中住宅」:若社長の会社が空中住宅を売り出し空中都市にまで発展
 「通天閣発掘」:宇宙橋(※軌道エレベーター)の建設地をさがす
 「冷蔵庫の中」:雪山の老人の家。地下に気になる冷蔵庫
 「新型貯金箱」:貯金するとサービスしてくれるアンドロイド兼貯金箱
 「四次元トイレ」:別世界へ繋がるトイレを発見。借金取りを別世界へ送る
 「黒いカバン」:夜道で黒いカバンを拾い、持ち主らしき人に話しかける
 「牛の首」:牛の首の怪談。知る人は多いのに誰も教えてくれない

 団地の話が固まっている部分がありますが、その時期は「団地ジャーナル」という雑誌に連載していたようです。
 後半になるとサンケイスポーツの週間連載分が増えていきます。


 今回の分はハルキ文庫版だと〈1〉と〈2〉に収録されているようです。