『富豪刑事』(筒井康隆)を読了。
中編の連作小説なので、今回は1ページ漫画はなし。
主人公は大富豪の刑事。単にお金持ちというわけではなく、そのお金持ち設定を活かして事件を解決するというミステリー小説。全四話で各話ごとにお金持ちの活かし方が違い趣向が凝らされてる。
ミステリー小説はあまり読まないのでミステリーの部分についてはどうこう言えませんが、技巧が凝らされているのは分かります。その技巧がなかなか面白い。
例えば、最初の話『富豪刑事の囮』では、映画でいうところのクロスカッティング(wikipedia)のような技法が使われてます。小説ではシーンの切り替えは一行空けて書くのが通常ですが、『富豪刑事の囮』では行を空けることなくシーンがどんどん切り替えられます。最終的には4人の容疑者が完全に同じ行動を取らされるのですが、一行ごとに切り替えることで4人の行動が完全にオーバーラップしています。
他にも、時系列シャッフルなんてこともやってます。これによって、時系列順に読むか、ネタバレになるシーンを後回し読むか選べるようになってます。ミステリー小説として読みたい人は、バレを後回しにして読めばいいわけです。
漫画のコマ割りで例えるとこんな感じ。
こういう時系列シャッフルは、今なら主人公にタイムリープ能力を持たせ、バレになる要素を読者から遠ざけるだろうな、と思ったが、よくよく考えたら筒井康隆は『時をかける少女』を書いた人ですね。おみそれしました。
ちなみに自分は見たことないが、テレビドラマ化もされているそうな。小説版では男性だった主人公が、テレビドラマ版では女性(深田恭子)に変更されているとか。
中編の連作小説なので、今回は1ページ漫画はなし。
主人公は大富豪の刑事。単にお金持ちというわけではなく、そのお金持ち設定を活かして事件を解決するというミステリー小説。全四話で各話ごとにお金持ちの活かし方が違い趣向が凝らされてる。
ミステリー小説はあまり読まないのでミステリーの部分についてはどうこう言えませんが、技巧が凝らされているのは分かります。その技巧がなかなか面白い。
例えば、最初の話『富豪刑事の囮』では、映画でいうところのクロスカッティング(wikipedia)のような技法が使われてます。小説ではシーンの切り替えは一行空けて書くのが通常ですが、『富豪刑事の囮』では行を空けることなくシーンがどんどん切り替えられます。最終的には4人の容疑者が完全に同じ行動を取らされるのですが、一行ごとに切り替えることで4人の行動が完全にオーバーラップしています。
他にも、時系列シャッフルなんてこともやってます。これによって、時系列順に読むか、ネタバレになるシーンを後回し読むか選べるようになってます。ミステリー小説として読みたい人は、バレを後回しにして読めばいいわけです。
漫画のコマ割りで例えるとこんな感じ。
こういう時系列シャッフルは、今なら主人公にタイムリープ能力を持たせ、バレになる要素を読者から遠ざけるだろうな、と思ったが、よくよく考えたら筒井康隆は『時をかける少女』を書いた人ですね。おみそれしました。
ちなみに自分は見たことないが、テレビドラマ化もされているそうな。小説版では男性だった主人公が、テレビドラマ版では女性(深田恭子)に変更されているとか。
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