一カ月ぶりですが、『きまぐれロボット』(星新一)を読了。

きまぐれロボット (角川文庫)
星 新一
角川書店
2006-01-25



 というわけで中から1編を1ページ漫画化してみました。

【コミPo】「とりひき」


 この「とりひき」は新潮文庫の『だれかさんの悪夢』にも掲載されています。
 最後の「キカイ相手に賭け事するなんて嫌だ」といった感じのセリフに共感するところがあるので、この話を選びました。

●朝日新聞連載
 『きまぐれロボット』に収録作品のほとんどは、朝日新聞の日曜版に掲載されたものだそうです。
 というわけで、公式サイトの初出リストを元に一覧にしてみました。
【朝日新聞連載分】
1964年11月01日(日) ◇新発明のマクラ ※初出は「夏休み」信濃教育会編(1961年5月20日)
1964年11月15日(日) ◇きまぐれロボット
1964年11月29日(日) ◇九官鳥作戦
1964年12月13日(日) ◇災難
1964年12月27日(日) ◇悪魔
1965年01月31日(日) ◇試作品
1965年01月17日(日) ◇薬のききめ
1965年02月14日(日) ◇博士とロボット
1965年02月28日(日) ◇便利な草花
1965年03月14日(日) ◇夜の事件
1965年03月28日(日) ◇地球のみなさん
1965年04月11日(日) ◇ラッパの音
1965年04月25日(日) ◇おみやげ
1965年05月09日(日) ◇夢のお告げ
1965年05月23日(日) ◇失敗
1965年06月06日(日) ◇目薬
1965年06月20日(日) ◇リオン
1965年07月04日(日) ◇ボウシ
1965年07月18日(日) ◇金色の海草
1965年08月08日(日) ◇盗んだ書類
1965年08月29日(日) ◇薬と夢
1965年09月19日(日) ◇なぞのロボット
1965年10月03日(日) ◇へんな薬
1965年10月17日(日) ◇サーカスの秘密
1965年10月31日(日) ◇鳥の歌
1965年11月21日(日) ◇火の用心
1965年12月05日(日) ◇スピード時代
1965年12月19日(日) ◇キツツキ計画
1966年01月23日(日) ◇とりひき ※掲載時タイトルは“プレゼント”
1966年02月20日(日) ◇ユキコちゃんのしかえし
1966年03月13日(日) ◇ふしぎな放送

【その他】
◇ネコ--ネコとカード星人「鉄腕アトムクラブ」1964年9月第2号
◇花とひみつ--『花とひみつ』私家版(1964年刊)
◇へんな怪獣--宇宙人のおくりもの「中日新聞」1967年1月3日
◇鏡のなかの犬--「小学二年生」1961年10月号
◇あーん。あーん--「ディズニーの国」1963年10月号


 日曜版なので当たり前ですが全部日曜日。隔週での連載だったようです。
 1964年というと東京オリンピックが開催されたころです。

●意外と薄い
 実際に書籍を手に取ってみれば分かりますが、『きまぐれロボット』は収録作品数の割に、かなり薄いです。新聞掲載のためにページ数が制限されていたためだと思います。
 で、このページ数の少なさのせいかもしれませんが、どうも他の星作品となんとなく違います。
 この違いをドラえもんで例えると、普段は10ページぐらいあるのに、たまに4ページとか6ページになった感じと言ったら分かる人には分かるでしょうか。
ドラえもん6ページ

 いつもはアイテムや事象についてSF的な説明がつけられているのに、今回はそれがないので少し物足りない感じがしました。

●旧装版
 自分が買ったのは下の画像の旧装版の方です。こちらは表紙と挿絵が和田誠なので、わざわざこちらを選んで買いました。
きまぐれロボット旧表紙

 星新一といえば挿絵紙は真鍋博か和田誠です。星新一もエッセイでいつもこの二人に頼んでいたと語っています。
 今売ってる『きまぐれロボット』は別の人が挿絵を描いているので、もしこだわりがあるのなら旧装版の方を選ぶと良いと思います。




【余談】
 「治療」(『宇宙のあいさつ』収録 )という作品にて、コンピュータで平均人間を作りだし、それと対話させることで、精神的な病を治すという装置が出てきましたが、最近それに似たようなものがニュースになってました。
 時事ドットコム:「自分は優秀」錯覚の仕組み解明=抑うつ症状の診断に期待-放医研など
 「自分は平均より優れている」と思う心の錯覚はなぜ生じるのか -脳内の生物学的仕組みを世界で初めて発見-
 どうやら正常な人には「自分は平均より優れている」という思い込み(優越の錯覚)があるらしく、もしその錯覚がない場合は抑うつ症状かもしれないので症状を発見する目安になるかもしれないという研究らしい。