星新一のショートショートを一度は読むべきだと思ったので、とりあえず『ほしのはじまり - 決定版星新一ショートショート』(新井素子編集)を買ってみた。




 星新一氏の本は数多くあるが、これを選んだ理由は、収録作品数が54作品と多めで、星新一氏のエッセイも18本収録されているから。
 それと、編者が新井素子というのも選んだ理由だ。以前「クラインの壷」の感想>を読んだとき、巻末の解説を書いていた新井素子が気になってました。他の本でもあんな感じの文章を書いているのかなぁ、と。
 ちなみに、wikipediaの星新一の項目によると、第一回奇想天外SF新人賞で星新一氏が新井素子を強力にプッシュしていたそうだらしい。そういう因縁でこの本を編集を任されたわけだろう。

 感想については、最初の『ボッコちゃん』を読んだだけで書くと、もしかしたら将来これと同じことが起こるかもしれないって感じがする意味ではSFだなぁと思った。実際に現実世界で事件が起きる前に先回りしてショートショートにしてやったという感じ。奇怪な事件が起こると決まって「事実は小説より奇なり」なんて言葉を呟かれるが、その言葉に対する皮肉を感じる。
 秋葉原のメイド喫茶にボッコちゃんがいても良いと思う。

 あと、NHKで今ショートショートの番組がやっているが、あれはあれで良いんじゃないかな。落語の世界では同じ作品でも演じる落語家によって別の作品に見えたりするが、「違うものに見える」というのは別に悪いことではないんだよね。色んな人によって映像化されるのはそれはそれで面白いと思う。
 まあ、駄目なものは駄目だが…。

 現段階ではこれ以上感想をかけないので、以下は収録作品のリスト。

#1 スタイリッシュ!
 ★ボッコちゃん
 ★セキストラ
 ★殺し屋ですのよ
 ★四で割って
 ★夜の音
 ★おみそれ社会
 ★ふしぎな放送
 ★おーい でてこーい
 ★天使考

#2 スラップスティック!?
 ★包囲
 ★死体ばんざい
 ★流行の鞄
 ★証人
 ★オオカミそのほか
 ★すばらしい食事
 ★いいわけ幸兵衛
 ★いそっぷ村の繁栄
 ★逃走の道
 ★逃亡の部屋
 ★発火点

#3 たいへんなお仕事
 ★雄大な計画
 ★秘密結社
 ★盗賊会社
 ★第一部第一課長
 ★外郭団体
 ★サービス
 ★アフターサービス
 ★程度の問題
 ★防止対策
 ★ささやき

#4 神さまのニガワライ
 ★少年と両親
 ★抑制心
 ★あの星
 ★なるほど
 ★お待ち下さい
 ★みつけたもの
 ★つきまとう男たち
 ★めぐまれた人生
 ★妖精
 ★夢の都市
 ★禁断の命令
 ★ねむりウサギ
 ★そして、だれも……

#5 平熱の叙情
 ★鍵
 ★友だち
 ★花とひみつ
 ★友情の杯
 ★愛の鍵

#6 よい終末を!
 ★午後の恐竜
 ★薄暗い星で
 ★殉教
 ★宇宙の男たち
 ★時の渦

#7 終わりなき日常を生きる
 ★殿さまの日