自分が作ったAviUtlのUVダウンサンプリングフィルタ(ここで公開)にはlanzosによるダウンサンプリングの機能がありますが。その機能において気づいたことがあるので書いておきます。

 百聞は一見にしかず。下のアニメーションgifを見てください。「YUV420:平均」ではオリジナルにないチラツキが発生していますが、「YUV420:lanzos3」ではそのチラツキが軽減してます。

 ダウンサンプリング_元画像元画像(RGB)
 ダウンサンプリング平均YUV420:平均
 ダウンサンプリングlanczos3YUV420:lanzos3
 ダウンサンプリング色差ぼかし+平均色差ぼかし+平均

 ゲーム動画では背景がスクロールしているものが多いのでこのチラツキが発生しているケースは多いのではないでしょうか。
 これはおそらく「モアレ」や「エイリアスノイズ」といった類のものだと思われます。lanzosの縮小は高周波成分を削る(ローパス)ので、このチラツキを抑制できたのではないでしょうか。
 ちなみに、色差をぼかしてから平均によるダウンサンプリングをしてもチラツキは抑止できます。しかし、エッジがだらしなくなって色がかなり褪せます(色褪せは色調補正でなんとかなりますが)。


 ここでもう一つ検証。
 ISP imaging-developers - CZPによる評価というページで紹介されているCZP (Circular Zone Plate) を用いたリサイズ品質評価を真似して、ダウンサンプリングの特性を比較検証してみます。CZPについての詳細はリンク先を見てください。

 まず下の画像はCZP画像からRGBのGreenを取り除いたものです。
 改造CZPオリジナル

 これをダウンサンプリングしたらどうなるのか試してみます。

 YUV420:平均
 改造CZPダウンサンプリング平均

 YUV420:lanzos3
 改造CZPダウンサンプリングlanczos3

 「YUV420:平均」では何やら模様が出現してます。
 CZP画像は中心から外に行くほど高周波成分があるわけですが、高周波成分をうまく除去(ローパス)できないと模様が出現します。この残った高周波成分がモワレの原因らしいです。
 つまり「YUV420:平均」ではモアレが発生していて、そのモワレがチラツキとなっていた、ということです。

 結論:lanzosの縮小はたぶん優秀。