うえぽんSW局

古いタイプの日記ブログです。気まぐれに更新してます。

タグ:ショートショートの広場

 「ショートショートの広場」の第1巻(第1集)を読了。




 ということで2編を4コマ漫画で紹介。

【4コマ】『ショートショートの広場1』より


 どちらも元は1ページの作品です。「念力」の方は何度も読んで4コマにまでしてやっと分かりましたが、これって今でいうところのツンデレだったりするんですね。

●選から落ちたタイプ
 巻末の選評によると、選から落ちたタイプを分類るすると次の5つに大別できるようです。
 、説明調のもの。なにかの必然があるのなら別だが、小説の形をとっていないと、よさが充分に発揮されない。つまり、もたついてしまうのである。
 、意外な結末はいいのだが、なんの伏線もなく、そこへ持ってゆくもの。大まじめに話を進めてきて、突然にナンセンスな結末では、読後に不満が残る。いけないとはいわないが、それならそれなりにふさわしい書き方があるはずだ。
 、主題の重複。あれもこれもと問題を持ち込み過ぎると、ごたごたしてしまう。無理にちぢめたとの印象を与える。
 、専門的な知識を要求するもの。予選で落ちたのにも、これが多かったのでは。なにかのパロディでもいいのだが、そのもとがよほど知られていなければ、面白いとはいえない。
 、まあまあなのだが、もうひとつ、なにかが不足。いわゆるコント的な作品が悪いとはいわないが、特色のあるのとくらべると、軽く見えてしまうのである。このたぐいが最も多かった。
 ショートショートを一つでも書いたことがある人なら、たぶんどれかに当てはまるのを書いてるはず。

●悪魔物
 「ショートショートの広場」を1巻から9巻まで読みましたが、定番の悪魔物が意外と少なかったです。次の選評を読むと悪魔物が少なかったのも頷けます。
「びん」
 短いなかに、時間的空間的に大きなものをまとめている。なお、このところショートショートに悪魔との取引きを扱ったものが、いやに多い。今回の応募のなかにも、何作もあった。ということは、それだけ競争がきびしいことになる。よほどひねらなければならず、ひねりすぎも困る。この作品は新アイデアで、それをやってのけた。今後、安易な悪魔物の出ないようにと、これをとりあげた。
「自分でも書いてるくせに」と言われるかもしれないが、日本で書きはじめたのは私であり、数にして全体の一パーセント以下のはずである。悪魔物は既成作家が、案に困ってどうしようもない時に使う手段ではなかろうか。


【終わり】
 以上で、星新一選となっている「ショートショートの広場」を読み終わったことになります。
 9巻から逆順に読んできましたが、このブログを読み返す時は1巻から順番になると思います。

 ショートショートの広場
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 「ショートショートの広場」の2巻(2集)を読了。




 ということで2編を4コマ漫画で紹介。

【4コマ】『ショートショートの広場2』より

 「心残り」のパターンは、一時期の小松左京のショートショートによくあるパターンだと思う。謎の物体が発見されるものの、実は異星人の他愛のない物だったという作品がいくつかあります。この他愛ないものが、子供の玩具だったり、お札だったり、男女のアレだったりするわけです。

●誰かに読んでもらおう
 9巻から逆順に読んでいますが、巻末の選評で星新一が何度も言っているアドバイスがあります。それは『誰かに読んでもらえ』というもの。これが上達への近道だそうな。ケアレスミスもそれによって判明するので、応募前にはぜひともやっていただきたいとのこと。
 読んでもらう友達がいない人もいたりするが、その場合は『そばにだれかがいるものと仮定して、こういう話はどうだろうと、頭のなかで語ってみるといい。つじつまの合わない部分に、気づくと思う』とのこと。
 そういえば最近こんなニュースもありました。
 「犬への読み聞かせ」で子どもの自信向上、エストニア:AFPBB News
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 「ショートショートの広場」の3巻(3集)を読了。




 ということで2編を4コマ漫画にしてみた。

【4コマ】『ショートショートの広場3』より


●規定枚数が10枚から7枚以下になる
 『ショートショートの広場』は読者公募の作品集ですが、3巻のあとがきによると、このころから規定枚数を10枚から7枚以下にしたそうです。
 2巻の選評で『応募規定は十枚以内だが、十枚の注文を受けた気分で、長く書いてくる人もある。必然性なしだと、かえって損である』と述べられているので、その対応策だと思う。
 これが功を奏したのか、2巻と3巻以降とでは作品の印象がなんとなく違う。3巻以降はより洗練された感じがします。
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 「ショートショートの広場」の4巻(4集)を読了。




 ということで2編を4コマ漫画にしてみた。

【4コマ】『ショートショートの広場4』より

 「味噌汁の味」はコピペ化されてネットで広まっていますが、元ネタは『ショートショートの広場4』です。オリジナルでは、「お義母さんが生きていたころはお義父さんの体調は悪かった」「息子(旦那)はパン派だったので味噌汁を飲んだことがない」「お義母さん自身もほとんど飲んでなかった」など伏線が多数ちりばめられています。

●9点
 巻末には星新一の採点が掲載されていますが、今回は「尻とり病」という作品が9点(10点が満点)の高得点を得ています。おそらく1~9巻の中でこれが最高得点だと思います。
 内容は、二人の人物が尻とり病という奇病について会話していて、実はその二人も尻とり病にかかっており、会話がしりとりになっている、というもの。
 外国語に訳せない奇妙さが高く評価されたのかもしれません。

●ドリームキャストの動画
 ニコニコ動画にアップされてるドリームキャストで作成されたこの動画。動画内で出題されているのがちょうど『ショートショートの広場4』の内容です。
 
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 「ショートショートの広場」の5巻(5集)を読了。




 ということで2編を4コマ漫画にしてみた。

【4コマ】『ショートショートの広場5』より


 タイトルが「究極の○○」となってるのが2作品あったので、両方をチョイスしてみました。おそらく当時は「究極のメニュー」や「究極の選択」やらと「究極の○○」というのが流行っていた時期なのだと思います。
 ところで、「究極の試験問題」については同様のコピペが出回っているようですが、おそらく元ネタはこれだと思います。

●「挟まる」
 「挟まる」という作品が面白いことをやってる(下の画像)。段々短くなっていくのが内容ともマッチしてる。

「挟まる」


 ちなみに、読売新聞の「こどもの詩」に似たようなものを発見。2010年の12月ごろに掲載されたものです。

2010年12月ごろのこどもの詩
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 「ショートショートの広場」の6巻(6集)を読了。




 ということで2編を4コマ漫画にしてみた。

【4コマ】『ショートショートの広場6

 今回に限らず4コマ漫画はあくまでもあらすじ的なものです。できればオリジナルを読んで欲しいです。特に今回の「ケン太君」は、童謡風のお話と思わせて意外なラストという話だったりします。上の4コマはかなりざっくりしたものだと思ってください。

●伏線のない方がいいこともある
 星新一の選評では伏線についてよく触れられていますが、今回は珍しく『これは伏線のないほうがいい。その感覚は、たくさん読んで身につけるしかない』と指摘してる作品が登場します。
 伏線はあった方が良いと思っていたので、この指摘はちょっと意外でした。
 ただ、自分にはどれが伏線なのか分からなかったりしましたが……。
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 「ショートショートの広場」の7巻を読了。




 ということで今回は2編を4コマ漫画にしてみた。

【4コマ】『ショートショートの広場7』より


●何人か常連を覚える
 3冊も読んでると、よく見かける投稿者がいます。よく見る名前というのは自然と覚えるものですね。
 名前を覚えると、その人の他の作品と比べて見たりして、その人の作風も分かってきたりします。
 そうやって段階を踏んでいけば、もしかしたらそのうちその人のファンになるかもしれないです。

●余談
 なぜ9巻から逆順に読んでいるかというと、ブログを読み返したときに1から順番に並ぶようにするためです。
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 「ショートショートの広場」の8巻を読了。「ショートショートの広場」は読者投稿作品を集めたショートショート集です。




 ということで今回は4編を4コマ漫画にしてみた。

【4コマ】『ショートショートの広場8』より


◇◆◇◆◇


【4コマ】『ショートショートの広場8


 宇宙人拉致もの等はサンプルの人間が1人だけというパターンが多かったりするが、「みんなの願い」はその逆パターンといった感じですね。サンプルが多過ぎるパターンは珍しいと思う。

●飛行機事故
 8巻を読んでいて気づいたこととして、「飛行機事故」というキーワードが出てくる作品が多かったりする。
 おそらく締め切りの少し前ぐらいに大きな飛行機事故があったのではなかろうか。
 8巻が出たのが1995年ということで調べてみたら、Wikipediaにちょうどよくまとめられたページを発見。
 航空事故の一覧 (1980年から1999年) - Wikipedia
 この中で1995年に近い年で、なおかつ日本で起こった航空機事故を探してみると、1994年4月26日の名古屋空港で起こった「中華航空140便墜落事故」というのが該当。たぶんこれが発想元ではないかと思う。当時ニュースでよく取り上げられていた記憶がある。
 中華航空140便墜落事故 - Wikipedia
 ちなみに「中華航空」は中国ではなく台湾の航空会社です。
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 「ショートショートの広場」は読者投稿作品を集めたショートショート集です。1巻から9巻までは星新一の編集ということなので、9巻から逆順に読んでみようと思ってます。




 ということで、9巻を読んだので2編を4コマ漫画にしてみました。

【4コマ】『ショートショートの広場9』より


 ショートショートの広場は、雑誌への読者投稿の中から、選者・星新一の採点が七点以上(十点満点中)だったものを集めたものです。巻末には星新一による各作品への一行程度の寸評も載っています。
 この寸評はショートショートを書きたい人には興味深いアドバイスが多いのではないでしょうか。
 例えば、「伏線が巧妙」「このところ、伏線にくふうをこらしたのが多い」「伏線につながりにくい」「伏線としてきいている」「もう少し伏線がほしい」などと何度も伏線についてコメントしているのをみると、伏線は重要なんだなぁと思わずにはいられないです。
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